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Taste of Nature

和洋中菓、よりどりみどり

遠くに未だ建設中の高台を眺めながら入り組んだリアス式海岸沿いを進んでいくと、「りんご直売・仙果園」の看板が見えてきます。といってもこちらはりんごの直売所。その隣に大きな店構えでそびえるのが、食堂cafe&crepe 仙華園です。いわて地産地消認定制度で二つ星を得ているというここのカフェは、なんと8割以上の食材が県内産のものを使用しているそうです。和洋中のジャンルを跨ぎ、さらにクレープ屋さんまでもしているこのお店は「地元密着のファミレス」として人々に親しまれています。

看板メニューである「広田湾漁師のタコ丼」は、地元漁師の村上さんが獲ったタコが丼上にまるで花びらのように豪華に盛られた一品。唐揚げの歯切れ良いサクサクさとゆでダコの弾力ある歯ごたえのハーモニーについ顔がほころんでしまいます。「からあげシーザーサラダうどん」に使われているのは、自然由来の飼料とミネラルたっぷりの水で育てられた地元の南部鶏。コクのある引き締まった肉が、さっぱりとしたシーザーサラダと相性バツグンです。

食後の一息に食べるクレープの手作り生地は、朝から仕込まれた焼きたてのふわふわ。小麦も岩手県産の「ゆきちから」を使用しているそうです。他にもラーメンの出汁から醤油や味噌といった調味料まで、地域素材へのこだわりを徹底しています。

「やっぱり安全・安心な地元食材を使いたくて」

オーナーの吉田宏(よしだ ひろし)さんの実家は、50品種ものりんごを育てる果樹園。「気仙地方の果樹園」なので「仙果園」と名づけられました。大学卒業後30歳まで北海道で公務員として働かれたのち、「安心・安全な食事を人々に届けたい」という思いから飲食への道を決意。盛岡の中華料理屋で修業したことを機に、中華をメインに「仙華園」としてオープンしました。ところがお客さんのリクエストに応え続けるうちに、洋食や海鮮も始めたりクレープ屋さんも開いたり、いつの間にか何でも提供するお店へと成長してしまったそうです。

リンゴ農家なこともあって、7種のりんごをブレンドしたジュースは絶品。収穫の時期になると、3品種のりんごジュース飲み比べも提供しているのだとか。また多くの食材は、盛岡農業高校時代のつながりから仕入れているそうです。2011年の大震災の後も何処よりもいち早く仮設プレハブ内で営業を再開し、地域を支えてきた仙華園。既に幅広いメニューを取り扱っていますが、吉田さんは「今後もっと地元・広田湾の海鮮を使っていきたい」と意気込んでいました。

 

記者の感想

和洋中スイーツと何でも勢ぞろいで、わくわくせずにはいられない魔法のような空間。それでいてお値段も手を出しやすく、もしも自分の地元にあれば絶対通いつめてしまうだろうなと、思わず想像してしまいました。県内産小麦の麺に地元食材の出汁たっぷりのラーメンも看板メニューだそうなので、こっそりプライベートで再訪してみようと思います。

食堂cafe&crepe 仙華園

所在地:029-2206 岩手県陸前高田市米崎町字川向7-3
電話番号:0192-55-5420
URL:http://www.burari-kesen.com/shopDetail.html?shop.id=26
営業時間:11:00〜20:00
定休日:火
アクセス:脇ノ沢駅より車で10分

撮影・取材:杉本麗百・小森一太
編集:小森一太