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Taste of Nature

手作りの野菜を、手作りのお店で

遠くに北上山地の連なる空の下、豊沢川沿いをはしる県道を少し外れると、木の温もりあふれる外観のお店が見えてきます。中に入るとそこは、手作りの木製カウンターや広々とした吹き抜けの空間に包まれます。ここ農家カフェ・ファームプラスでは、店主の平賀恒樹(ひらか こうき)さんによる朝採れ野菜がたっぷりと使われた料理が満載です。

看板メニューの野菜ゴロゴロカレーは、その日の収穫によってトッピングも日替わりの人気の一品。肉が一切入ってないことに気づかないほどの鮮やかな彩り、そして野菜ひとつひとつの食べごたえにスパイスの風味が重なり、渾然一体となった甘みが味わえます。

地元花巻の白金豚を使ったタコライスも人気の一品、タコスの旨みと隣り合わせに、素揚げされた野菜の味がキラリと光ります。他にも自家製のみそ汁やジンジャーエールと、幅広いカフェメニューが提供されています。

 

古着屋から農家へ、挑戦の連続

花巻のキュウリ農家の家に生まれた平賀さんは、大学で東京にでたのちは地元で古着屋さんとして働かれていました。服屋の仲間の紹介で農家修業を経て、今では就農13年目。「自分でやると、失敗しても許せるでしょう。そして、うまくいくと嬉しいんです」と語る平賀さんは、野菜の栽培やメニューの開発にとどまらず、お店の内装や食器の塗装まで、できるかぎり何にでも自ら関わろうとしているそうです。

店内のカウンターには、地元の若手農家の仲間たちで共同開発したドレッシングもおいてありました。酸味と甘味の絶妙なハーモニーの「りんご梅干し」味や、生命力あふれる甘みが凝縮された「ミニトマト」味など、どれも絶品です。

 

農家、食、そして人々をプラスしてゆく

店名であるファームプラスにこめられたのは、農家・食・そしてお客さんをつなぎたいという想いです。「ただ自分が作るだけでは物足りない」と当初から感じていた平賀さん、開店当初から毎週日曜日には野菜の収穫体験を行ったり、自家製味噌作りを教えたりと、農業・食・人々の距離を近づける体験プログラムを開催しています。さらに今年の終わりまでには、お店の向かいにドレッシングとシードルの加工場ができる予定だそうです。

 

記者の感想

取材時には子どもたちでわいわいしていた店内は、平賀さんのセレクトした本をゆっくり読みながら和める空間でした。カレーとタコライスの野菜の美味しさにびっくりしつつ、リラックスしながら等身大に「食と向き合う」を楽しんだ時間でした。

農家カフェ ファームプラス
所在地:025-0043 岩手県花巻市上根子字下田60-2
電話番号:0198-33-0594
URL:https://www.farmplus.cafe/
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)
定休日:日・水
アクセス:岩手県交通バス 湯口線「新田」降車後徒歩5分、花巻南ICより車で10分

撮影・取材:杉本麗百・小森一太
編集:小森一太