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Taste of Nature

モロヘイヤづくしのおもてなし


知っていないとまず通りがからない、そんな山と田んぼの風景に溶け込んだ場所に農家レストラン「ゆう菜家」はあります。もともと納屋として使われていた建物の中に入ると、こじんまりとした木で囲まれた空間の中で多くの人々が不思議な色のした麺をすすっています。ゆう菜家特製の「モロヘイヤ麺」です。

緑色の麺はまるで周りの自然そのものを映しているかのような鮮やかさ。口に運ぶと、まずはそのコシのよさに驚かされます。細い四角の麺の一本一本が「ちゅるっちゅるっ」という弾力を返しながら、喉をあっという間に通ってゆく。ほのかな青葉の香りとだしの風味が重なることで食欲がさらに掻き立てられます。

完全無農薬で自家栽培されているモロヘイヤは、あらゆるところで使われています。天麩羅、餃子、塩、デザートのアイスに至るまで、栄養価の高いモロヘイヤを食べてもらうことで健康になってほしいという店主の気遣いがみられます。「他の野菜も、できる限り無農薬・低農薬にこだわって作るようにしています」と語るのは店主の浅野育子さんです。

 

遊び心から始まった店作り

今から24年前、農家に嫁いでいた浅野さんは、ひょんなことからそば作りの体験教室に足を運びました。その時期にたまたまご近所で貰ったモロヘイヤが栄養価が高いと知り、ちょっとした好奇心からモロヘイヤを練りこんだ麺づくりに挑戦し始めたそうです。「麺作りなんて全然やったことないから、2年間ずっと手探りだったよ」と笑う浅野さんは、それからモロヘイヤの乾麺を作ったり、完全無農薬の自家栽培を始めたりと試行錯誤を続けました。少しずつモロヘイヤ麺の評判が広まっていく中で、地元・雄和地区に寄り添うように安心・安全な食事を提供したいという思いから、お店を「ゆう菜家」と名付けました。今でははるばる遠路からくるお客さんも少なくなく、モロヘイヤ麺は通販でも提供できるようにしているそうです。

 

記者の感想

始めは田舎の風景とモロヘイヤという変わった食べ物の組み合わせを不思議がっていたが、あらゆるメニューと相性のいいそのポテンシャルに驚かされた。「遊び心を忘れずに」と優しく語る浅野さん言葉の裏には、一体どれほどの時間と手間暇がかかっているのだろう。「ゆう菜家にまた帰ってきたら、今度は何を食べようか」。自然とそんな言葉が出てくるような温かさを持ち帰って帰路についた。

農家レストラン ゆう菜家

所在地:〒010-1344 秋田県 秋田市 雄和向野 字前開45 (※秋田自動車道協和ICより30分)

電話番号:018-887-2866

URL:http://www.yuunaya.com/

営業時間:11:00~15:00(ラストオーダー14:30)

定休日:毎週木曜日※1~2月冬季休業(店舗のみ休業)

こだわりのモロヘイヤ麺などは店舗オンラインショップでも購入可能。

アクセス:秋田自動車道協和ICより30分、秋田空港より15分

 

撮影・取材:杉本麗百・小森一太

編集:杉本麗百・小森一太